『御田植神幸式(おたうえしんこうしき)』は、国指定の重要無形民俗文化財の一つで、阿蘇神社最大の祭事。一般的には「おんだ祭り」と呼ばれています。神様が稲の生育状態をご覧になる、とっても大切な農耕行事です。
この神事は、阿蘇大明神が阿蘇開拓と農耕の道をおひろめになった御徳をたたえ、年々の豊作を祈るもので、藩政時代には細川侯の名代が参向する唯一の祭りです。
2020年の『御田祭』は、新型コロナ感染防止対策のため神幸行列をふくめ中止となりました。
祭事内容
2016年熊本地震によって拝殿が倒壊したため、そのため代わりに設けた仮拝殿で神事が執り行われます。
4基の神輿は駕輿丁(かよちょう)に担がれ、神幸門(みゆきもん)から出発。猿田彦を先頭に、鷹持(たかもち)、宇奈利(うなり)、獅子頭、早乙女、田楽(でんがく)、田男(たおとこ)、牛頭(うしがしら)、田女(たおんな)、神輿、宮司といった約200名の大行列で「お仮屋(かりや)」へ向かいます。
ちなみに白装束の「宇奈利」が頭の上に掲げて運んでいるのは神々の食事です。
お仮屋では神輿が納められ神事が行われます。そのあと、お仮屋の前で駕輿丁たちによる「田歌」が歌われ、打ち鳴らされる大太鼓を中心に宇奈利、獅子頭等が集まり、その周囲を神輿が回ります。その間、駕輿丁たちは田歌を歌い続けます。
回っている神輿に宮司が稲の苗を投げると、神職や氏子たちも続けて投げはじめます。これを『御田植式(おんたうえしき)』といいます。
このあと行列は「二のお仮屋」に向かいます。向かう途中では田歌が歌われ、行列はゆっくりと進みます。二のお仮屋へ到着すると、さきほどと同様な神事が行われます。
そのあと神幸行列は、阿蘇の田園の道をゆっくり歩みながら、田島→下町→仲町→上町→賽木と進み、阿蘇神社に到着。神社の還御門から入ると、神殿を12回まわる「宮巡(みやめぐ)り」が始まり、つぎに境内で7回まわる「御田植式」が行われます。そのあと神輿は拝殿に安置され、駕輿丁による歌い納めや「成就祭(じょうじゅさい)」が行われ御田植神幸式は終了します。
祭事『おんだ祭り』の執り行なわれているようすは〔〈2017年〉阿蘇神社の現在状況〕にて情報掲載しています。
祭事当日の神社周辺
おんだ祭り当日は、神社横参道では地元商店街の出店が並び、子供達にも人気のたこ焼き、おもちゃ屋、金魚すくい、かき氷などの出店があり、家族連れでも過ごしやすいです。
イベント情報
- 日時
- 毎年7月下旬〔祭事の開催日〕
- 場所
- 阿蘇神社、風宮神社
- 駐車場
- 専用駐車場・普通車50台程度(阿蘇神社)
- 問合せ
- 阿蘇神社社務所(電話)0967-22-0064
7月の祭事
- 月次祭(1日)
- 御田祭