白川水源[南阿蘇村]

『白川水源(しらかわすいげん)』は、阿蘇カルデラ内の南に位置する南阿蘇湧水群を代表するような湧泉で豊富な天然水を生み出しています。また、環境庁の「平成の名水百選」に選ばれる上質な水源。

地元では不老長寿、諸病退散の御神水の湧くパワースポットとして語り継がれ、多くの観光客が立ち寄ります。



名水情報

水源

水源入場門付近[白川水源・南阿蘇村]
水源の名でもある「白川」は地元の地名にもなっており、その昔、明治初期には熊本県が『白川県』と改められたほどで、この湧水がそうさせた由来と言われています。
毎分60トンの湧水量[白川水源・南阿蘇村]
湧き出す水は毎分60トンと豊富な水量。小河のように次から次へと出てくる湧水は白川の源流の代表格になっています。
公園を流れる湧水[白川水源・南阿蘇村]
湧泉源から溢れ出た水は、湧水公園の中央を流れていきますが、小河は膝までつかるほどの水深になり冷たい。
森林と湧水源と観光客[白川水源・南阿蘇村]
湧水源のまわりは杉と銀杏に囲まれた森林。湧水池の水は、水の存在を感じないほど澄んで神秘的なエメラルドブルー。
水藻の間から湧く天然水[白川水源・南阿蘇村]
そして、水源に太陽の光があたると水藻がエメラルドグリーンに輝き、そのあいだから天然水がふんだんに湧き出るようすを間近で見ることができます。
高い透明度の湧水[白川水源・南阿蘇村]
汲んだ水を空にかざしてみて見ると非常に澄んでおり、飲んでみると水質の柔らかさがわかります。水温は常温14℃と、夏ならコップの周りに水滴が生じるほどヒンヤリとした美味しい水を手に入れることができます。もちろん、水源の水は自由に持ち帰ることができます。

上質で柔らかな水は、お茶や料理によく合うため、平日でも多くの人が水を汲みに集まります。また、地酒製造やボトル詰めミネラルウォーターの原水として、地域の食料品製造や飲食店にも活用されています。
湧水ペットボトル販売[白川水源・南阿蘇村]
現地では持ち帰り用のペットボトルなどの販売もおこなっています。また、加熱処理された水も販売されています。

ミネラル成分

pH(14℃)
7.1
ナトリウム
10.35 (mg/ℓ)
カリウム
4.33 (mg/ℓ)
カルシウム
22.8 (mg/ℓ)
マグネシウム
6.32 (mg/ℓ)
湧水量
120(トン/毎分)

汲み場

湧き水を汲む場所は湧水源から少し離れた場所にあります。湧水源は観光客が多く集まるため、汲み場を別に設けてあるのは利便性が高い。
整備された汲み場[白川水源・南阿蘇村]
汲み場は非常に整備されている。岩と石盤プレートを敷き詰められ平に施工されています。また、スペースが広いためポリタンクの置き場には困らないでしょう。水源水面と汲み場の落差は非常に少なく、普段着で上質な天然水を容易に汲めるようになっています。
備え付け柄杓と漏斗[白川水源・南阿蘇村]
現地には柄杓(ひしゃく)と漏斗(じょうご)の備え付けがあります。また、そばの店舗でペットボトルの販売がされているので、手ぶらで来ても天然水を持ち帰ることができます。

白川吉見神社

白川吉見神社[白川水源・南阿蘇村]
敷地内には『白川吉見神社(しらかわよしみじんじゃ)』があります。本殿には、この水源の御祭神である「国龍大明神(くにたつだいみょうじん)」と「罔象女命(みずはめのみこと)」祀られています。
白川吉見神社の鳥居[白川水源・南阿蘇村]
社殿は元禄14年6月、山狩の際にここに参拝した第五代肥後藩主の細川綱利が『当社は余が領地養田の源神で、水恩広大である。速やかに社殿を修造せよ。』と郡代に命じ造営させた由緒を持ちます。
白川吉見神社の社殿[白川水源・南阿蘇村]
その後も肥後名勝の一つとして細川家の信奉は厚く、九曜紋の社幕が細川家から奉納されています。
火災後新たに造営竣工された白川吉見神社
現在の社殿は、明治41年に火災で焼失したため翌42年12月に新たに造営竣工されています。

神社内の社木は、昭和21年の台風により樹齢数千年の老木が数本倒れてしまい現在の本数になっています。
このほか、水源と神社に植樹された杉と銀杏の森林は、「ふるさと熊本の樹木」にも登録され、環境全体が取り囲むように守られています。

施設・店舗

白川水源は良質な水源地でありながら、公園敷地内のほか近隣に店舗・施設がそろい観光で訪れやすいスポットになっています。

カフェ・食事処
★印は白川水源公園内にある店舗。

  • 水源茶屋★:お店に入って座ると試食の豆腐が出てくる和食店
  • 水の館★:白川水源内の西側高台にあるカフェ。こだわりの炭焼き焙煎コーヒーもある。
  • 阿蘇カフェSOSUI:湧水加工工場「はくすい」のそば。「トマトロールケーキ」が人気のケーキ&カフェ。
  • 和食しらかわ:地元で収穫する食材と湧水を使った郷土料理店。
  • 駅カフェ倶梨伽羅:白川水源駅内に併設されているカフェレストラン。あか牛メニューあり。

土産物屋

  • 物産館自然庵:白川水源の入口にある南阿蘇物産館。地域農産物および地域農産加工品(饅頭、パン、名水豆腐など)のほか採れたて野菜や果物も販売しています。
  • あーと和紙工房白水:水源の目の前にある「手すき和紙の工房」。和紙製品のほか国産(愛媛県今治)のタオルなどの商品を取り扱っています。


〈2017年〉白川水源の現在状況

ロケーション

所在地に「白川」が付けられる水源の周辺には家屋が集中する地区。北側付近には【国道325号線】、その先には阿蘇山火口と中岳、それに根子岳を望むことができます。

水源公園の南側は村道が通りアクセスするためのメインルート。その村道と平行に南阿蘇鉄道が延びており、南西方向には南阿蘇白川水源駅があります。また、その南そばには川幅が狭くなっている白川が流れています。

アクセス情報

熊本地震の影響で、熊本市(高速道路ふくむ)方面から最短でアクセスできた『俵山トンネルルート』が全面通行止めになりましたが、念願の暫定迂回路が2016年内に復旧開通〔情報:俵山トンネルルート〈2016年12月24日〉開通しました。〕。また〈2017年8月27日〉には『長陽大橋ルート』が応急復旧するため、国道57号線からもアクセスできるようになります。

鉄道
南阿蘇鉄道に乗り『南阿蘇白川水源駅』で下車。駅からの距離は約350メートル、徒歩5分ほどでしょう。

バス
付近の村道を走る産交バスにのり『白川水源入口』で下車。バス停留所から徒歩1分ほど。

車・バイク
白川水源はメジャーな観光地なのでカーナビ検索でも見つかりそうですが、カーナビ案内無しでアクセスする場合は、まず南阿蘇を通過している【国道325号線】へ向かいます。
『阿蘇大御神御足跡石』国道325号線、白川水源付近
高森・高千穂方面から【国道325号線】で南阿蘇白川地区をめざすと、左手道端に『阿蘇大御神御足跡石』という小さい公園があります。周辺には「小林自動車」と「八起阿蘇店」とい店舗が見えます。
白川水源の案内標識【国道325号線】
『阿蘇大御神御足跡石』が左手に見えるなら、その先の左脇道へ左折。また脇道手前には水源の案内標識があります。その先には携帯電話用の鉄塔が見えます。
「阿蘇大御神御足跡石」前の鉄塔【国道325号線】
河陽・阿蘇市方面から【国道325号線】を通ってくる場合は『阿蘇大御神御足跡石』が右手に見えたら行き過ぎ。その手前の右脇道へ右折です。右手に見える携帯電話用の鉄塔を目印にしてください。
南阿蘇白川村道のT字路
脇道へ進んで行くとT字路へたどり着きます。ここを左折して下さい。
白川水源専用駐車場[南阿蘇村]
T字路を左折して約240メートル直進すると、右手に水源専用駐車場が見えてきます。乗用車・バイクはこちらに停めてください。

湧水地情報

所在地
熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字白川2040[地図
料金
環境保全協力金・100円/人
駐車場
普通100台、大型5台
トイレ
施設・敷地内
店舗
食事処、レストラン、カフェ
その他

午後の紅茶・CM撮影ロケ地

白川水源が『午後ティー』の愛称で人気のドリンク『午後の紅茶』のCMロケ地として撮影されました。これは、震災被害にあった南阿蘇を支援するため、南阿蘇の代表的な観光地を舞台にしたCMです。2017年8月11日より全国で放映されます。

【午後の紅茶・2017夏】CM撮影ロケ地・南阿蘇白川水源

南阿蘇湧水群リンク

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