【熊本地震】菊池〜阿蘇スカイライン通行止め状況〈7月15日現在〉

〈更新:2017-2-23〉崩落現場修復工事のため〈H29年2月〉から時間通行規制が始まります。詳しくは〔【時間通行規制】菊池阿蘇スカイライン〈期間:H29年2〜5月〉〕で情報掲載しています。

菊池市から東方面には、阿蘇北側外輪山へつらなる『菊池渓谷』があります。約1200ヘクタールと広大な森林から降りてくる水が集まる県下有数の渓流。渓谷を流れる豊富な水は、夏でも平均水温は13度と、水遊びで不用意に飛び込むと身の危険を感じる冷たさ。ここは自然のめぐみが生んだ天然のクーラー。スイカがよく冷えます。

広い谷間のまわりには四季をとおして楽しめる景色があり、春は新緑、秋は紅葉、そして冬には霧氷の花が観光客をひきつけます。
菊池阿蘇スカイラインマップ[県道45号線]
しかし、熊本地震によって渓谷の渓流から遊歩道までが、非常に大きく重い多数の倒木や落石により致命的な被害状況。また、阿蘇北側外輪山とのアクセスルートでもある【県道45号線〜阿蘇スカイライン】には幾多の土砂崩れと落石で長期の通行止めになっています。

通行止め状況

菊池阿蘇スカイライン通行止め地点[菊池渓谷・県道45号線]
『菊池阿蘇スカイライン』は地震の本震や余震、そして豪雨によって、山間・渓谷に沿った県道を土砂と倒木が多数寸断しました。とくに長期間通行止めになっている原因は、渓谷斜面の土砂崩れ。こちらは第一と第二駐車場あいだの斜面崩壊箇所。
菊池渓谷通行止め衛星写真[菊池阿蘇スカイライン・県道45号線]
衛星写真からだと意外と短期間で復旧できそうなイメージでした。
菊池渓谷の斜面崩落地点[菊池阿蘇スカイライン・県道45号線]
しかし、現場で確認するとそうでもないようで、渓谷の中腹から急斜面ごと大きく崩れています。崩落が斜面途中からなので、今後の雨や余震によっては上の部分もふくめて再度崩れる可能性が高い。
菊池渓谷周辺の土砂崩れ[菊池阿蘇スカイライン・県道45号線]
さらに衛星写真で確認していくと、他の場所でも目視できるだけで二箇所の土砂崩れが発生。そのほか、道路が通過する部分の斜面も崩壊の可能性が無いかチェックしなければならないため、道路復旧と通行止め解除には日数を必要とするでしょう。
平日復旧工事してない現場[菊池阿蘇スカイライン・県道45号線]
また通行止め現場では、平日にもかかわらず復旧工事が行われていませんでした。もしかしたら、復旧作業に必要な人員や重機が足らないのかもしれないですね。

観光 菊池渓谷

震災で立入禁止の入口[菊池渓谷]
さて、次は観光地としての菊池渓谷周辺ですが、さきほどの情報通り、遊歩道が土砂落石で壊され大変危険な状態であるため立入禁止。観光施設は閉鎖休業しています。
震災で無人の観光施設周辺[菊池渓谷]
ここだけ見ていると地震前と変わらないようすだが、景観をふくめた復旧作業には相当な時間を必要とするでしょう。
戻った透明度の高い渓流[菊池渓谷]
入口そばの道橋から渓流をながめると、震災・豪雨の土砂で濁った茶色い水ではなく、記憶と同じような透明度の高そうな流れでした。
震災に堪えた菊池渓谷の橋[菊池阿蘇スカイライン・県道45号線]
引き上げる前に、渓谷と阿蘇をつなぐ重要な橋をチェック。下から見る限り道路と橋のつなぎ目部分に大きな変化は見られません。
橋アプローチも無傷[菊池渓谷]
橋を走行する部分も非常に綺麗な状態。この橋が落ちていたら通行止め期間も相当長くなるはずだから非常に良かった。
土砂崩れの道路斜面[菊池渓谷]
ちなみに、先ほどの駐車場付近の土砂崩れ現場を橋の上から見た状況。この上にもまだ斜面があります。損壊が大きくならない為の対策なのかブルーシートが掛けられている。

夏期までの復旧は

以上のように、観光地そして菊池と阿蘇をつなぐ重要な道路としても菊池渓谷周辺の震災ダメージは大きく、短期間の復旧はむずかしい。今年の夏観光シーズンは渓谷の冷たい水を楽しむ事はできないです。
震災被害による立入禁止[菊池渓谷]
あと、通行止め現場周辺は立入禁止のうえ観光的にみるものはなく近づかないのが無難です。なぜなら、菊池渓谷周辺は山深い谷間にあり、通過する道路は一本だけで片方の道は寸断されています。もし、阿蘇スカイラインからの道路がなんらかの原因で寸断された場合、車などはソコに置いて逃げ出さなければなりません。お気をつけ下さい。