地震後運行再開したトロッコ列車[南阿蘇鉄道]

【熊本地震後】南阿蘇鉄道の営業運行再開〈7月31日現在〉

地震後運行再開したトロッコ列車[南阿蘇鉄道]

2016年7月31日は「南阿蘇鉄道」の歴史に刻まれる一日となりました。

同年の4月に発生した熊本地震の前震・本震の影響によって、立野駅と長陽駅のあいだにある南外輪山の二つのトンネル内壁に亀裂が入り、また白川に架かるビューポイントの鉄橋にも二箇所で梁(はり)の歪みが発生。数十億円の工事費用と強い余震によって全線運行再開のメドはたたない状態。

しかし、鉄道は地元の生活に欠かせない移動手段でもあり、また観光地をつなぐ重要な存在。そういった意見や支援が国・県に届き、閣議では南阿蘇鉄道の復旧調査費として約2億円が割り当てられました。この費用は2016年度補正予算に盛り込まれた熊本地震復旧等予備費から支出されます。

運行状況

夏休み真っ只中の7月31日から始まった営業運行は、比較的被害の少なかった中松駅〜高森駅間の一部区間(7.11㎞)運行を再開。運行本数は往復4本で、始発の往復便のみ普通列車となり、それ以降の3往復便は観光客に人気のトロッコ列車になります。

夏休み期間にあたる[7月31日(日)~8月31日(水)]までトロッコ列車は毎日運行されます。また、夏休み以降は11/30まで「毎週土・日・休日」の運行です。

運行本数・時刻

下記時刻表は、平成28年8月31日までの時刻です。

高森駅発

  • 高森発 9:30 → 中松着 9:43〈普通列車〉
  • 高森発 13:00 → 中松着 13:21〈トロッコ列車〉
  • 高森発 14:20 → 中松着 14:41〈トロッコ列車〉
  • 高森発 15:30 → 中松着 15:51〈トロッコ列車〉

中松駅発

  • 中松発 9:50 → 高森着 10:06〈普通列車〉
  • 中松発 13:30 → 高森着 13:55〈トロッコ列車〉
  • 中松発 14:50 → 高森着 15:15〈トロッコ列車〉
  • 中松発 16:00 → 高森着 16:25〈トロッコ列車〉

〈時刻表:2016年7月31日現在〉

時刻表を見ていて気付くのが普通列車とトロッコ列車の移動時間の差。トロッコ列車は観光運行のためユックリと走行。また、上りと下りで移動時間がちがうのも標高差があるためでしょう。

各駅時刻表

各駅停車時刻表:2016年8月[南阿蘇鉄道]
〈時刻表:2016年7月31日現在〉

停車駅

現在〈2016年7月〉列車が停車する駅は南阿蘇鉄道の一部区間の駅に限定され、5つの駅の間を往復します。停車する駅にはカフェなどを併設する駅舎もあります。

高森駅[阿蘇郡高森町高森
駅舎店舗【有り】
見晴台駅[阿蘇郡南阿蘇村大字両併
駅舎店舗【無し】
南阿蘇白川水源駅[阿蘇郡南阿蘇村白川
駅舎店舗【有り】カフェ・レストラン
阿蘇白川駅[阿蘇郡南阿蘇村白川
駅舎店舗【有り】カフェ
中松駅[阿蘇郡南阿蘇村一関
駅舎店舗【有り】


2017年 南阿蘇鉄道トロッコ・ラッピング列車運行情報

復興イベント

高森町にある南阿蘇鉄道「高森駅」周辺では、運行再開の31日に『南阿蘇鉄道復活祭』を開催。
南阿蘇鉄道復活祭[高森駅]
当日は近隣の駐車場スペースでイベントが開かれ、お笑い芸人のトークショーに、地元アーティストの演奏。それに「南阿蘇マルシェ」といった出店もつどいます。
南阿蘇マルシェ[南阿蘇鉄道・高森駅]
この日、阿蘇地方は快晴で気温があがったためカキ氷の店舗前では列がつづく。
列車車両の解説[南阿蘇鉄道・高森駅]
私が会場入りした頃は、臨時便のトロッコ列車が出た後でしたが、駅舎内では物販、また近くの芝生では子供用のミニトレインが絶賛運行中。それに、列車整備施設らしき建物では鉄道関係者の列車車両解説がおこなわれていました。夏休みの宿題ネタになりそうです。

南阿蘇鉄道の駅

高森駅

高森駅 正面[南阿蘇鉄道]
高森駅は南阿蘇鉄道ではベース(基地)的な存在で唯一の有人駅。南阿蘇鉄道本社が構えられた敷地内には、整備施設のほか列車車両の車庫などを備えています。
高森駅の整備棟と列車[南阿蘇鉄道]
また、駅の出札窓口では、トロッコ列車「ゆうすげ号」の指定席券のほか、乗車券、定期券、回数券、定期券、1日フリー乗車券を発売しています。
敷地内の休憩所と庭園[高森駅・南阿蘇鉄道]
駅舎には『駅カフェ cafe PoPPo』が併設されていましたが、最近は営業されていないようです。そのかわりに、広いテーブルスペースを含んだ庭園が利用可能になっています。

駅は町の中心部にあり、駅から東方面に広がるように公共施設、商店街、住宅街がならぶ。
復興イベント会場と高森駅[南阿蘇鉄道]
さて、イベント会場をあとに、南阿蘇鉄道の各駅をおとずれてトロッコ列車の風情めぐりへと出掛ける。今回は列車が立ち寄る駅だけ廻ります。
高森駅付近の踏切[南阿蘇鉄道]
運休期間が100日以上もあったため、その期間中は踏切での一時停止の意味がなかったのですが、運行が始まったからには左右確認は必須。このカーブしたレール向こう、紅白幕の場所がイベント会場。奥にそびえる山は「根子岳(ねこだけ)」。地震と豪雨の影響で斜面がずいぶんと崩れ落ちています。
乗客満載のトロッコ列車[南阿蘇鉄道・ゆうすげ号]
高森町をのんびりとサイクリングしていると臨時便が中松駅から折り返してきました。トロッコ列車は満席状態。

高森駅[阿蘇郡高森町高森
駅舎店舗【有り】

見晴台駅

見晴台駅[南阿蘇鉄道]
見晴台駅(みはらしだいえき)は高森駅の次にある無人駅。開業当時は駅舎屋上に見晴らし展望台がありましたが、改築時に現在の平屋建てになってしまう。
見晴台駅ホームから東側外輪山[南阿蘇鉄道]
こちらの駅舎は併設テナントはなくアッサリとしたたたずまい。ホームから東側を眺めると、直線に続く線路と外輪山を望めます。
見晴台駅に泳ぐ鯉のぼり[南阿蘇鉄道]
また、近年5月頃になると鯉のぼりが多数泳ぐ壮快な情景を見ることができます。

今回、トロッコ列車がホームに入るところはタイミングが合いませんでした。

見晴台駅[阿蘇郡南阿蘇村大字両併
駅舎店舗【無し】

南阿蘇白川水源駅

南阿蘇白川水源駅[南阿蘇鉄道]
阿蘇観光ガイドでも有名な「白川水源」に近い駅。開業は2012年と新しく、駅には駅舎兼コミュニティ施設、それとカフェ・レストランが併設されている。
トロッコ列車待ちの報道カメラ[南阿蘇白川水源駅]
駅周辺には報道関係者の方々の姿も。
トロッコ列車ゆうすげ号[南阿蘇白川水源駅]
そして停車時刻にトロッコ列車到着。列車の客室スピーカーから各駅の説明やエピソードなどが乗客へアナウンスされています。
カメラに手を振る乗客[トロッコ列車・南阿蘇鉄道]
乗客の乗車・降車がなければ停車時間は短く、列車はふたたびユックリと走り出します。このあたりから乗客のお手振りに、左腕で応えながら右手でシャッターを切る撮影スタイルに変更されていく。皆さんトロッコ列車の爽快感にご満悦なようす。

南阿蘇白川水源駅[阿蘇郡南阿蘇村白川
駅舎店舗【有り】カフェ・レストラン

阿蘇白川駅

こちらの駅は「中松駅」と「南阿蘇白川水源駅」の間にある駅。駅名に白川があるが「水源」の文字が無いあたりで、あちらと判断しています。
阿蘇白川駅[南阿蘇鉄道]
昭和63年に建て替えられた駅の外観は教会のような洋館風で、とんがり屋根の時計塔がアクセントになっています。そして時計塔の中には鐘が備えてありますが、鐘の音が近隣住民にはうるさかったらしく現在では鳴ることはありません。

こちらの駅舎にはカフェ「75th St.」がテナントとして入っています。駅のホームからは豊富な阿蘇伏流水で育つ農耕地と、そのむこうに南外輪山がひろがる。
田園とトロッコ列車[阿蘇白川駅・南阿蘇鉄道]
夏期のホーム前には田園風景が一面に見渡せる。その田園から駅に停車するトロッコ列車を眺める。
田園を抜けて高森へむかうトロッコ列車[南阿蘇鉄道]
延々と続く田園風景を高森方面へ進むトロッコ列車すうすげ号。

阿蘇白川駅[阿蘇郡南阿蘇村白川
駅舎店舗【有り】カフェ

中松駅

現在、列車の折り返し地点になるのが「中松駅」です。そういえば、なぜ折り返しが「長陽駅」でなく「中松駅」なのか確認を忘れましたが、どうやら次の「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」手前の陸橋の損傷が大きく通過できないそうです。
おもちゃカフェ併設の駅舎[中松駅・南阿蘇鉄道]
南阿蘇鉄道の各駅にはカフェなどの店舗がテナントしてることが多い。中松駅には以前そば屋さんが入っていましたが今年の2月に閉店。そのあと、おもちゃの展示スペースを備えたカフェが開店。しばらくは日曜日のみの営業。
310Books[中松駅・南阿蘇鉄道]
また、この日は「加勢駅」付近のパン屋さん「DACCO(ダッコ)」そばで開店している書店「310Books」もオープンしていました。
熊本地震後はじめての営業運行[中松駅・南阿蘇鉄道]
そして時刻表どおりトロッコ列車「ゆうすげ号」が中松駅に到着。じつに107日ぶりの営業運行でホーム入り。感動や感慨深い人も多かったことでしょう。
折り返し駅で降りる乗客[中松駅・南阿蘇鉄道]
折り返しの中松駅では9分ほど停車するため、駅舎店舗でくつろいだり、トロッコ列車と記念撮影をする乗客の姿がありました。
見送られて高森へむかうトロッコ列車[中松駅・南阿蘇鉄道]
そして定刻通り、ホームの人たちに見送られて高森駅へ向けて旅立って行きます。
ふんだんに沸き出す天然水[池の川水源]
当日の移動手段はスポーツ自転車。気温は南阿蘇でも34度と夏日。身体を動かすため水分補給は必須ということで南阿蘇湧水群の湧き水を途中数カ所で給水。画像は中松駅付近にある「池の川水源」の源泉。この日は地中から多くの気泡が湧き上がっており、阿蘇の自然活動のようすを目のあたりにできました。

阿蘇の恵みをうけた美味しい湧き水『南阿蘇湧水群』の情報も掲載しています。南阿蘇を訪れるのなら、是非飲み比べてほしい名水です。

中松駅[阿蘇郡南阿蘇村一関
駅舎店舗【有り】


トロッコ列車について

南阿蘇鉄道の観光向け列車として、通常は3月から11月までの土日祝日(春休み、ゴールデンウィーク、夏休み期間は毎日)の運行。

乗車には通常運賃のほかにトロッコ料金が必要で、また全席指定席。乗車切符は空席があるかぎり先着順にて当日10時に発駅で購入。折り返しの中松駅から乗車の場合、車掌より乗車券を購入します。ただ、満席の場合乗車できない場合もあります。全席禁煙・ペット類の持込禁止です。

夏休み期間中はトロッコ列車は毎日運行。大自然に囲まれた南阿蘇を体験しにいらして下さい。

トロッコ列車 ゆうすげ号[南阿蘇鉄道]




阿蘇の紅葉名所ガイド