来る2月27日(土)、阿蘇神社において刀剣の「奉納鍛錬」という珍しい行事が執り行われます。
奉納鍛錬される刀剣『蛍丸(ほたるまる)』は、1931年に国宝に指定された刀の「写し(再現刀)」で、実際に奉納されていた蛍丸は、太平洋戦争終戦時の混乱によって行方が分らない状態です。
そんな蛍丸を再現するため『蛍丸伝説プロジェクト』が企画されました。発起人には刀鍛冶の福留房幸氏が、製作するための費用はクラウドファンディングによって支援者を募りました。
プロジェクトに必要な費用は5,500,000円と安くはないのですが、最終的には45,120,000円【目標達成率 820%】と予想外の金額が集まり、全国の刀剣ファンによる注目の高さが伺えました。
奉納鍛錬
プロジェクトで復元される蛍丸は、戦前に撮影された写真や現存する資料をもとに造形や仕様を決定。それをもとに岐阜県関市の刀匠「房幸」と大分県竹田市の刀匠「房興」の両氏によって共同で制作。仕上がった刀剣のなかから最も良いものを阿蘇神社へ奉納。次点を関鍛冶伝承館へ寄贈することになっています。
制作作業のほとんどは、高い品質を保つため関市で行われますが、初期の作業は阿蘇神社御神前にて実演奉納され、この作業の一部を支援者の方々に参加してもらうことになっています。
また、刀剣の焼き入れも阿蘇神社にて8月上旬に行う予定になっています。完成は平成29年4〜5月頃を予定しており、同時に「阿蘇神社完成奉告祭」が行われます。
大太刀「蛍丸」
「蛍丸」は、現在の熊本県北東部一帯を治めた「阿蘇大宮司家」の宝刀。
全長約136.36センチ、刀身約100.35センチの大太刀。江戸時代、松平定信により制作。
もとの所有者は、南北朝時代の南朝側の武将の阿蘇惟澄。
1336年の多々良浜の戦いで足利軍に苦戦を強いられる。追いすがる敵を切り払い危地を脱することはできたものの、激戦で大太刀に無数の刃こぼろれが生じた。しかし、夢の中で刃こぼれた刀に蛍が集まり光に包まれる光景を見る。そして、目が覚めて刀を見てみると刃こぼれが直っていたという伝説があります。これが「蛍丸」の名の由来とされています。
行事の情報
阿蘇神社で行われる刀剣「蛍丸」写制作による奉納鍛錬は、当日公開で行われますので、一般の方でもご覧になれます。
- イベント名
- 阿蘇神社奉納鍛錬
- 内容
- 刀剣の奉納鍛錬
- 開催エリア
- 阿蘇一の宮
- イベント会場
- 阿蘇神社境内〔熊本県阿蘇市一の宮町宮地3083-1〕〔地図〕
- 開催日
- 平成28年2月27(土)〔悪天時は翌28日〕
- 開催時間
- 13時半〜16時頃
- 入場料
- 無料(一般公開)
- 駐車場
- 神社駐車場
- 問合せ
- 阿蘇神社(電話:0967-22-0064)
- その他
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