熊本地震を引き起こした断層の一つに「布田川断層帯」があり、断層上の地域が壊滅的な被害をうけています。この断層は『俵山バイパス[県道28号線]』のすぐ近くを平行するように伸びていたため、俵山トンネルや橋りょうが甚大な損壊をうけました。
被害の状況は、俵山トンネルの内壁崩落と路面のズレ、パイパスに架かる5つの橋と道路の崩壊です。
現在、俵山トンネルを含む俵山バイパスルートは約10キロの区間が全面通行止め。このため、南阿蘇まで最短で行けたルートがなくなり、迂回路として阿蘇外輪山南側の地蔵峠を越える「グリーンロード南阿蘇」を利用しないとアクセスできなくなっています。
今まで、阿蘇の麓(大津町・西原村)から南阿蘇まで30分くらいで到達できたのですが、迂回路を通ると50分以上かかることになります。また、地蔵峠ルートは標高が高く勾配がきついため、サイクリストが自転車で南阿蘇まで向かうと体力と移動時間をかなり奪われます。車ならガソリン代と移動時間が余計にかかるくらいでしょうか。ただし、急カーブが結構多いです。
この俵山バイパスルートの復旧期間が、どの程度かかるのか県が調査したところ「今後、数年間使用できない可能性がある」といった厳しい状況のアナウンスがされています。
ところが、Googleマップの衛星写真を確認すると、旧道の俵山峠を越えるルートがほぼ使用できそうです。写真データは、熊本地震の本震後に撮影されているもので、崩落した阿蘇大橋と地滑りした周辺の状況を確認することができます。
この情報だと、旧道ルート(俵山展望台ルート)は小規模の斜面崩れにより一カ所(画像中央下)が寸断されているだけです。〔画像の右上は、俵山トンネルの西原村側入り口と全壊した整備施設〕
〔衛星写真:黄色部分=旧道入り口・俵山峠越えルート、赤色部分=旧道土砂崩れ箇所、紫色部分=俵山トンネルの西原村側入り口〕
ということは、旧道の入り口〔黄色部分〕までにある二つの橋(大切畑大橋、扇の坂橋〕と路面が復旧すれば、一般乗用車の通過は可能になり、より短時間で南阿蘇へアクセスできます。〔他に、路面だけでも復旧ができれば、橋のそばにある旧道を通ることも可能なようです〕
流通にしろ観光にしろ、グリーンロード南阿蘇ルートはロスが大きいため、これが長期間つづくと地域経済に与えるダメージが大きいと思う。俵山峠旧道ルートの復旧を熱望しています。
俵山バイパス復旧決定
『国土交通省・九州地方整備局』より、俵山トンネルルートの復旧計画が発表されました。《更新:2016年6月28日》