2017年2月7日、阿蘇火口の火山活動が落ち着いているとして、噴火警戒レベルを最低の【1】へと引き下げられました。
警戒レベルが【1】であれば活火山の活動をじかに体験できる『火口見学』が許可されるのですが、爆発的噴火の後、現地はほとんど手付かずの状態だったため、撤去作業や安全対策に時間が必要です。春から本格的な観光シーズンをひかえ関係者は頭をかかえています。
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阿蘇火口36年振りの噴火
1979年9月6日、阿蘇中岳火口が爆発的噴火を引き起こして大量の噴石が観光客を直撃。死者3人、重軽傷者16人を出す災害となりました。噴火の被害者は火口北側にある『仙酔峡ロープウェイ』からアクセスした観光客。それ以降は爆発的噴火はありませんでした。
噴火と経緯
2016年10月8日
午前1時46分に爆発的噴火をした阿蘇中岳第1火口。噴火の規模が大きかったことから、噴火警戒レベル【3(入山規制)】へ引き上げられました。〔当時の情報:【阿蘇山噴火】草千里・阿蘇山上の観光規制〕
噴火は深夜だったため幸いにも観光客への被害ありませんでした。しかし、今後の噴火状況が、どのように変化するか予測ができないため、噴火当日は阿蘇登山道を閉鎖して草千里をふくむ阿蘇山上への立入規制を実施されました。
2016年10月9日
10月8日の噴火以降、目立った火山活動がなく落ち着いたようすなので、火口からおおむね2km圏内を立入禁止区域に指定。草千里から阿蘇山上へつづく道路を封鎖して進入禁止にしました。
2016年12月20日
噴火警戒レベルは【3 → 2】へ引き下げられましたが、阿蘇火山防災会議協議会は、山上広場一帯の安全が確認されるまでは二次規制を継続を決定。
2016年12月21日
山上広場一帯の安全が確認されたため、草千里先の道路通行止を解除。
2017年2月7日
噴火警戒レベルが【2 → 1】へ引き下げられましたが、火口周辺の施設や設備などの整備がととのうまで、火口周辺の概ね1km範囲内の立入規制継続を決定。
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阿蘇火口周辺の復旧
噴火警戒レベルが【1】へ引き下げられて約1ヶ月が過ぎました。その間にも九州地方環境事務所では、火口周辺の状況を調査しています。火山活動は落ち着いていますが、火口周辺の復旧整備は問題山積です。
火口周辺の修復
まずは、火口見物に観光客がもっとも集まる火口縁から約100メートル南の火口広場には、噴火時に噴出した火山灰と噴石が避難壕を埋めるように大量に堆積しており、これらの除去には多額の費用と多くの作業時間を必要としています。
まずは『阿蘇ロープウェイ火口西駅』周辺までの作業通路を確保するべく、1.3キロメートル離れた阿蘇山上広場からつづく市道(阿蘇山公園道路)の噴石除去と道路補修に着手しています。
また爆発で噴出した噴石と火山灰は、火口広場(駐車場)以外にも広範囲に多く積もっており、火口広場だけでも約3300立方メートル以上と非常に大量。そのため、当面は広場西側斜面に仮置き場を設置して除去作業を進めるそうです。
ここまでの状況を考えると、春の観光シーズンに間に合わせるのは無理なのがわかります。
火山ガス検知器
火口縁周辺の管理は国が管轄しています。まず火口見物広場に工事用車両の駐車場スペースが確保できしだい、火山ガス検知器の状態を把握して、検知器の正常可動へむけて調査・作業に入ります。
しかし、ここにも障害が待ち受けています。火山ガスの濃度データを検知器から送り出すのには光ケーブルを利用しているのですが、光ケーブルを通すための『火の国橋』が大きく損傷しているため、設置された検知器が良好でも情報を受けると事ができません。この問題に対して九州地方環境事務所からは「現段階で復旧時期は見通せない」とのことで、短期間の復旧は見込めないようです。
噴火を伴わない火山ガスによる事故は、間近であれば〈1997年11月23日〉に死者2名をだしているため、火口見物を実現するには、火山ガス濃度のリアルタイム監視は絶対条件でしょう。
現在、この問題を早期に解決するため、環境省・県などを含めた約20人の検討チームを発足。設置型ガス検知器の完全復旧前に、携帯型検知器の所持による安全対策をしながら、一部で火口見物が再開できないか可能性を探っています。
火口縁の避難壕
火口見物広場周辺には、火山爆発時の緊急避難のために避難壕が複数設置してあります。昨年の爆発により避難壕のほとんどは火山灰に埋もれており、また噴石により損傷を受けている壕もあるため、調査によっては補修・建直しが必要になるでしょう。
また、調査などの行程に入る前に、ます周囲の火山灰と噴石の除去が必要なため、こちらも安心な状態にするには時間がかかりそうです。
阿蘇火口見物で避難壕の重要性を語る必要もないでしょうが、1958年6月24日の噴火では、死者12人を出す惨事が起きています。この噴火では、鉄筋コンクリートの屋根に直径50~100センチの穴が開き、直径15ミリの鉄筋も破断されたそうです。
突如噴火が起きたばあい、避難壕が生還するための命綱となるため、正常な状態で設置されなければなりません。
阿蘇ロープウェイ
さきほど説明したとおり、火山灰の除去作業は火口縁周辺の火口見物広場あたりが優先されます。しかし、噴出物の撤去移動作業によるダンプカーなどの工事車両の往来や、駐車場の整備などが必要なため、短期間で観光客の車両が『阿蘇山公園道路』を利用して火口付近に上がるのは難しそうです。
そこで浮かんでくるのが、阿蘇山上広場と火口付近をむすぶロープウェイの活用です。
ところが、ここにも障害が待ち構えています。
阿蘇ロープウェイの運行は、阿蘇の火山活動と密接に連動しているため、阿蘇火口周辺への立入禁止規制が出されると運休になってしまいます。
ロープウェイは特殊に製造されたワイヤロープを使用するため大変高価。特に運用していないワイヤロープは、偏った力がワイヤーに悪影響をあたえるため、ゴンドラが止まっていてもメンテナンスを必要とします。ここに2016年熊本地震が発生して阿蘇登山道が崩壊。整備メンテナンスができなくなりワイヤーロープが一式ダメになりました。
また、阿蘇火口に近い『ロープウェイ火口西駅』は噴火による施設損傷や、長期間運用していないためロープウェイ関連機器が故障しており、多額の修理費用と修理期間を必要とします。
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阿蘇火口見学の再開
熊本地震発生から、もうすぐ1年。火山活動も落ち着いて来たところで阿蘇観光の目玉でもある火口見物を、たくさんの方々に楽しんでもらいたいのですが、火口周辺の現状は以上のとおり難題がたくさんあります。
ただ阿蘇山上には、火口以外にも魅力的なパノラマビューや美しい草千里ヶ浜があります。最近は草千里周辺の山への登山〔【阿蘇五岳】杵島岳、烏帽子岳の登山許可情報〕もできるようになりました。観光施設は地震前とかわらないように営業しています。
まだ地震の爪痕がのこる阿蘇一帯ですが、そんな景色が観れるのも今だけ。目に映るものは日々刻々と変化しています。
火口見物の今後について〈更新:2017年3月28日〉
阿蘇火山防災会議協議会は、携帯型ガス検知器などの危険を察知できる機器を所持することで、少数限定の火口見物ツアーを実施する計画を検討していると発表がありました。
現在、阿蘇火口周辺では火口駐車場や安全柵の復旧が進んでおり、少しずつですが阿蘇火口の観光再開へ向けて進んでいます。しかし、阿蘇火口周辺の完全な復旧には半年以上かかるため、火口見物再開には一定の条件を付けて検討しています。
また、活火山の見物においては完全な安全は保証できないため、火口見物希望者にはリスクよる自己責任に同意してもらって参加可能にするようです。そのほか、ガスマスク装着して山上監視員と同行することで火口見物ができる案が上がっています。
まずは、阿蘇火山ガス安全対策専門委員会の審議を経て、試験的な実施を決めるとアナウンスしています。今後の展開に期待ですね。
火口モニターツアー計画〈更新:2017年5月19日〉
阿蘇火山防災会議協議会は、昨年の噴火によって火山ガス検知器が損傷したことによって、火口見物が再開できない状態であることを懸念していました。
火口見物は阿蘇山上観光のメインの一つであるため、観光客の落ち込みが深刻な現在、見学再開の可能性を検討しています。
現在検討されているのが、参加人数を15人以内にした少人数制の火口周辺ツアーで、参加者にはヘルメットとガスマスクを装着条件となる。また、事前に健康チェックシートと突発的な災害遭遇の責任免除などの書類を提出してもらう。
ツアーには携帯検知器を所持した監視員が3人同行し、火山ガスの基準値および危険な火山活動が予想される場合は速やかに下山することになっています。
最近の会合では、少人数ツアー参加の観光客の健康診断に関する事前問診の内容や方法。また緊急時対応などの教育を徹底することが盛り込まれている。また、複数回のテストツアー実施によって検証して本格的なツアー実施の可否を防財協議会で検討する。
ガス検知器復旧作業の計画〈更新:2017年5月23日〉
環境省九州地方環境事務所は、昨年10月の阿蘇中岳噴火で損壊した6基の火山ガス検知器復旧を、2017年8月上旬より着工。復旧設置作業を2017年度内に完了させる計画を発表しました。
検知器が復旧すれば、現在の立ち入り規制解除することができ、火口見学の再開が可能になります。
火山ガス検知器は、火口見物に訪れる観光客の安全確保のため火口近くに設置され、有害な火山ガスが〈5ppm〉を超えると火口周辺を規制して立入禁止にします。
現在、噴火により火口周辺に堆積した噴石と火山灰の撤去中で、作業は2017年9月中に完了予定。そのあと安全柵の施工を本年度中に完了させ、損傷の激しい『火の国橋』の復旧作業を2018年度以降に着手予定。そのほか、噴火によって破壊された避難壕をふくめ老朽化が激しいため、新規に造設することが決定しています。
まずは検知器の設置完了が、阿蘇火口規制解除の絶対条件となっています。
阿蘇火口見学ツアーの断念〈更新:2017年7月26日〉
7月1日、以前から計画されていた少人数制による『阿蘇中岳第1火口見物ツアー』が実施されました。このツアーは、実際に定期的に行なうばあいの実証実験もかねています。
実験には、応募した一般客と観光業者ら計30人が参加。実証実験のあとに開かれた臨時会で、ツアー実施の可否を検討した結果『ツアー計画断念』を決めた。
Goサインが出せなかった理由としては、少人数ツアー実施中、火口周辺の常時監視員が6人だけでは、事故発生時の救助や搬送態勢などに課題が多いとして、ツアー計画の実施は断念されることになりました。
阿蘇火口見学の再開計画〈更新:2017年8月31日〉
2016年10月の爆発的噴火で損壊した警報システムとガス検知器は、2018年2月末までに復旧予定。復旧後、防災協は周辺の立ち入り規制を解除する見込みになっています。
このまま計画が問題なく進めば、2018年3月ごろには火口周辺の規制が解除できる予定です。
阿蘇火口見学 2月中の再開〈更新:2018年1月14日〉
阿蘇火口見学の再開日が少し早まる情報が上がってきました。理由は、阿蘇火口周辺の安全施設復旧と安全装置設置が進んでいるためです。
火口から1キロ圏内の立入り規制を継続させている阿蘇火山防災会議協議会(防災協)が、2017年末に臨時会を開いて関係各機関が復旧工事の進み具合を報告しました。
この情報をまとめると、阿蘇火口をおとずれる観光客の安全を確保するための、火山ガス警報装置と火口見学広場の保護柵が〈2018年2月中〉に復旧することが分かりました。さらに、爆発による飛翔物から観光客を保護する退避壕の修復も2月いっぱいで完了します。
ただし、阿蘇火口駐車場から火口見学広場へつながる遊歩道にある『火の国橋』は損壊が激しく短期間の修復は難しいとのこと。壊れた橋の対策は、臨時用の仮橋を架けることで対応します。また、火口周辺の遊歩道は、すべてのエリアの復旧は完了しておらず、立入り禁止エリアはしばらく残るようです。
阿蘇火口見物を再開には『阿蘇火口 1 km 圏規制』の解除が必要になりますが、この立入り規制が解除されれば、1キロメートル規制圏にかかっている『砂千里ヶ浜』の散策ができるようになります。さらに、砂千里ヶ浜を経由する登山道も立入り可能になるため、阿蘇高岳・中岳の登山が3年半ぶりに実現することになります。
嬉しいことに、阿蘇山上観光も熊本地震前の状態に戻ってきています。阿蘇火口周辺で観光・散策できる日は近いですよ!
阿蘇ロープウェーの運行
2016年の噴火によって、ロープウェイ施設に甚大の被害を受けた『阿蘇ロープウェー』は、現在再開のめどが立っていません。そのため、火口見学が再開される2018年春以降は、代行バス(阿蘇山西駅 ⇔ 火口西駅)の運行を予定しています。
阿蘇火口見学 再開日決定〈更新:2018年2月23日〉
ついに阿蘇中岳火口見物ができる日が決まりました。以下のページに、再開日と施設・交通手段の情報を掲載しています。
阿蘇山火口周辺立入り規制〈更新:2018年3月3日〉
〈2018年3月3日 午前8時25分〉福岡管区気象台発表。
- 噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続
- 阿蘇山では、孤立型微動の回数が急増しています。
火山活動の状況及び予報警報事項
阿蘇山では孤立型微動の回数が〈3月1日〉以降、1日あたり200回を超える状況が継続しています。また火山性地震の回数も多い状態で経過しており火山活動がやや高まっています。
2月27日からの孤立型微動の回数は以下のとおりです。なお回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
観測日
|
火山性地震
|
孤立型微動
|
2月27日
|
128回
|
–
|
2月28日
|
123回
|
–
|
3月1日
|
491回
|
–
|
3月2日
|
557回
|
–
|
3月3日 8時まで
|
176回
|
–
|
火山性微動の振幅は小さい状態で経過しています。
前線の影響により雨が予想されるため、天候の回復を待って気象庁機動調査班(Jmaーmot)による現地調査を実施します。
3月2日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は 500トンと少ない状態でした。地殻変動観測では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。
防災上の警戒事項等
火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められませんが、火口内では土砂や火山灰が噴出する可能性があります。また、火口付近では火山ガスに注意してください。
阿蘇山 火山活動情報〈更新:2018年3月10日〉
〈2018年3月10日 午後4時00分〉福岡管区気象台発表。
- 噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続されます。
- 阿蘇山では、火山性地震及び孤立型微動の多い状態が続いています。
火山活動の状況及び予報警報事項
阿蘇山では、孤立型微動の回数が3月1日以降増加。その後も多い状態が続いています。また火山性地震の回数も多い状態で経過しており、火山活動がやや高まっています。
3月6日からの火山性地震の回数、孤立型微動の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり精査の結果、後日変更することがあります。
観測日
|
火山性地震
|
孤立型微動
|
3月6日
|
174回
|
807回
|
3月7日
|
125回
|
508回
|
3月8日
|
68回
|
513回
|
3月9日
|
32回
|
342回
|
3月10日15時まで
|
19回
|
184回
|
火山性微動の振幅は小さい状態で経過中。10日の遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上200mまで上がりました。
阿蘇山 火山活動情報〈更新:2018年4月5日〉
〈2018年4月5日 午後4時00分〉福岡管区気象台発表。
- 噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続されます。
- 阿蘇山では、火山性地震及び孤立型微動の多い状態が続いています。
火山活動の状況及び予報警報事項
阿蘇山では、孤立型微動の回数が3月1日以降増加。3月4日には1049回発生しました。その後、3月10日以降も1日あたり200回から400回程度と依然として多い状態が続いています。火山性地震は少ない状態、火山性微動の振幅は小さい状態で経過しています。
4月1日からの火山性地震の回数、孤立型微動の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり精査の結果、後日変更することがあります。
観測日
|
火山性地震
|
孤立型微動
|
4月1日
|
26回
|
332回
|
4月2日
|
17回
|
365回
|
4月3日
|
35回
|
359回
|
4月4日
|
34回
|
280回
|
4月5日15時まで
|
8回
|
178回
|
中岳第一火口では、本日(5日)、噴煙は白色で火口縁上200mまで上がりました。
現在状況と今後の見通し
〈2018年3月3日〉の立ち入り規制以降も、孤立型微動の発生回数が多い状態が続いています。1日に発生する孤立型微動が〈200 回以下〉が3日程度続けば、立入り規制の判断基準となる臨時情報は発表されません。
『孤立型微動』とは、岩盤の割れ目を火山ガスなどが抜ける時に発生すると考えられる阿蘇中岳特有の現象です。規制再開から現在までの状態を、大倉敬宏教授(火山物理学)は「ガスの放出量が多く、地下からのマグマの供給が活発な状態」と推察しています。
気象庁は、阿蘇 草千里ヶ浜の地下にあるマグマだまりをGPS(衛星利用測位システム)で観測していますが観測値に動きはみられないとしています。この観測値をみて大倉教授は「現在、マグマの供給と放出されるガスの収支バランスが取れた安定した状態。噴火の兆候は見られない。」と解析。気象庁も「孤立型微動の発生はピークを過ぎている」と説明しています。
現在でも孤立型微動の発生回数が〈1日 / 200回〉を超える日が連続しているため、防災協では「過去の教訓から、安全の上にも安全を期して対応する。」としており、臨時情報が発表される間は規制を続ける方針です。
阿蘇山 火山活動情報〈更新:2018年4月23日〉
〈2018年4月24日 午前8時30分〉から阿蘇火口見学が可能になりました。
阿蘇山では、孤立型微動の多い状態が続いていますが、その他の観測データに特段の変化がないことから、現時点で火山活動が活発化する兆候は認められないため、3月3日から続いていた自主規制(立入り規制)を解除します。
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2020年 阿蘇火山 規制情報
阿蘇山 火山活動情報〈更新:2020年8月18日〉
〈2020年9月1日(火) 午前10:00 〉から阿蘇火口見学が可能になりました。
阿蘇火山防災会議協議会(防災協)は2020年8月19日、約1年4カ月のあいだ立入規制が続いていた阿蘇中岳の火口周辺を報道陣に公開。この公開のきっかけは、8月18日に福岡管区気象台が定めている『噴火警戒レベル』が【Lv.2(火口周辺規制)】から【Lv.1(活火山に留意)】に引き下げたことを受けておこなわれました。
中岳第1火口の状況
中岳第1火口は、水蒸気と二酸化硫黄を含んだ白い噴煙が、少なめに上昇しているのを確認。火口には湯だまりはなく、露出した火口表面の一部に硫黄の固形成分が付着。
火口周辺の安全対策機器
防災協によると、火山ガスの危険度を示すランプの正常動作を確認済み。今後は、6基のガス検知器の動作確認や、山上の防災協事務所の検知器や空気清浄機の調整などを進めるとのべています。
火口見学エリア周辺の状況
観光客が火口周辺を観光するエリアでは、積もった火山灰はごくわずかで歩行に支障はなかった。
防災協によると、火口見学の再開を予定しているエリアの安全柵や退避壕[ごう]に目立った損傷は無く。2016年10月の爆発的噴火で被害を受けたエリアを除いて、1日も早い見学再開を目指すとしている。
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2021年 阿蘇火山 規制情報
阿蘇山 火山活動情報〈更新:2021年6月23日〉
【阿蘇山 噴火警戒『Lv.2』】
5月2日(日)22時55分、熊本県の阿蘇山の噴火警戒レベルが、レベル1(活火山であることに留意)からレベル2(火口周辺規制)に引き上げられました。
《規制速報:2021年5月3日》
5月2日21時頃から火山性微動の振幅が増大しています。中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
《規制速報:2021年6月8日》
噴火の可能性は低くなったと判断し、噴火警報を解除。
2021年6月9日11:00 より阿蘇火口見学の再開となります。なお、中岳・高岳登山ルートの再開は、登山ルートの安全面を確認後に立入禁止規制を解除します。
阿蘇山 火山活動情報〈更新:2021年10月14日〉
2021年10月14日08時30分 福岡管区気象台 発表
中岳第一火口では、本日(14日)04時43分頃に噴火が発生しました。噴煙の高さは雲のため不明です。噴火の発生は2020年6月15日以来です。また、火口南縁に設置している熱赤外カメラでは、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口縁付近に飛散したことを観測しました。
阿蘇山では、昨日(13日)15時30分頃から火山性微動の振幅が次第に大きくなり、20時頃から中岳西山腹観測点南北動の1分間平均振幅が4マイクロメートル毎秒を超えた状態が続いていましたが、噴火の発生後は2マイクロメートル毎秒程度で経過しています。
2021年10月14日16時00分 福岡管区気象台 発表
中岳第一火口では、本日(14日)04時43分頃に噴火が発生しました。その後、噴火は発生しておらず、白色の噴煙が最高で火口縁上600mまで上がりました。
本日、気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、1900トン(前回9月29日、600トン)とやや多い状態でした。また、現地調査及び聞き取り調査では、熊本県高森町、大分県竹田市及び宮崎県高千穂町の一部で降灰を確認しました。
京都大学及び熊本大学が実施した現地調査によると、火口縁付近で大きな噴石が確認されています。
火山性微動の振幅は、昨日(13日)15時30分頃から次第に大きくなり、噴火に伴いさらに増大しましたが、噴火発生後は小さくなり、中岳西山腹観測点南北動の1分間平均振幅で2マイクロメートル毎秒を下回った状態で経過しています。
GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千里を挟む基線において、2020年7月頃からわずかな縮みの傾向がみられていましたが、現在は停滞しています。
火山活動が高まっていますので、中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があります。
2021年10月15日16時00分 福岡管区気象台 発表
中岳第一火口では、本日(15日)10時57分と13時25分にごく小規模な噴火が発生し、噴火に伴う噴煙が最高で火口縁上200mまで上がりましたが、弾道を描いて飛散する大きな噴石は観測されていません。
火山性微動の振幅は、中岳西山腹観測点南北動の1分間平均振幅で1.2マイクロメートル毎秒で変動を伴いながらやや大きい状態で経過しています。
GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千里を挟む基線において、2020年7月頃からわずかな縮みの傾向がみられていましたが、現在は停滞しています。
火山活動が高まっていますので、今後も中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があります。
2021年10月18日16時25分 福岡管区気象台 発表
阿蘇山では、本日(18日)14時頃から火山性微動の振幅が次第に大きくなり、15時頃から中岳西山腹観測点南北動の1分間平均振幅が4マイクロメートル毎秒を超え、変動しながら大きい状態が続いています。
本日、九州地方整備局の協力により実施した上空からの観測では、中岳第一火口内で規模の小さな土砂噴出を確認しました。また、中岳第一火口から南東方向を中心に降灰の痕跡が広がっているのを確認しました。
GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千里を挟む基線において、2020年7月頃からわずかな縮みの傾向がみられていましたが、現在は停滞しています。
火山活動が高まっていますので、今後も中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があります。
2021年10月19日16時45分 福岡管区気象台 発表
阿蘇山では、昨日(18日)14時頃から火山性微動の振幅が大きくなっています。本日(19日)00時頃から07時にかけて、火山性微動の振幅は非常に大きな状態で変動を繰り返しました。その後、火山性微動の振幅はやや大きな状態で推移しています。
本日、気象庁機動調査班(JMA-MOT)が実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、3200トン(前回14日、1900トン)と多い状態でした。
GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千里を挟む基線において、2020年7月頃からわずかな縮みの傾向がみられていましたが、現在は停滞しています。
火山活動が高まっていますので、今後も中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があります。
2021年10月20日18時15分 福岡管区気象台 発表
中岳第一火口では、本日(20日)11時43分に発生した噴火に伴い、火山性微動の振幅は非常に大きな状態となり、その後も変動を繰り返しながら大きな状態で推移しています。
本日、九州地方整備局の協力により実施した赤外熱映像装置による上空からの観測では、中岳第一火口の北側と西側で、火砕流の痕跡と見られる周辺より温度の高い領域を確認しました。
気象庁機動調査班(JMA-MOT)が本日11時43分の噴火後に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、4400トン(前回19日、3200トン)と多い状態でした。また、現地調査及び聞き取り調査では、熊本県の阿蘇市、高森町、山都町、宮崎県の高千穂町、五ヶ瀬町の一部で降灰を確認しました。
中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
2021年10月21日16時00分 福岡管区気象台 発表
中岳第一火口では、昨日(20日)11時43分に中規模な噴火、12時44分から14時10分にかけてごく小規模な噴火が発生しましたが、それ以降は噴火は観測されていません。
火山性微動の振幅は、昨日11時43分に発生した噴火に伴い非常に大きな状態となり、その後も変動を繰り返しながら大きな状態で推移しました。本日(21日)01時以降、変動を繰り返すような目立った変化は認められませんが、引き続き大きな状態で推移しています。
本日、山麓で実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の1日あたりの放出量は、2500トン(前回20日、4400トン)と引き続き多い状態でした。
阿蘇山では、火山性微動の振幅が大きな状態で推移しています。また、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が多いことから、今後も火口から概ね2kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。
2021年10月22日16時00分 福岡管区気象台 発表
阿蘇山では、昨日(21日)以降、噴火は観測されていません。
中岳第一火口では、昨日から本日(22日)にかけて、白色の噴煙が最高で火口縁上900mまで上がりました。
火山性微動の振幅は、引き続き大きな状態で推移しています。昨日から本日にかけて、振幅は概ね一定の大きさを維持していますが、本日04時から06時頃にかけて変動がみられました。
火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、10月14日の噴火以降、多い状態が継続しています。
阿蘇山では、火山性微動の振幅が大きな状態で推移しています。また、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が多いことから、今後も火口から概ね2kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。
2021年10月25日13時10分 福岡管区気象台 発表
阿蘇山では、これまで大きかった火山性微動の振幅が小さくなっています。本日(25日)11時頃からは、中岳第一火口の浅部を震源とする振幅の小さな火山性地震が増加しています。
また、京都大学本堂トンネル観測点の伸縮計では、中岳火口の浅部の膨張とみられる変動が観測されています。
これらのことから、中岳火口浅部での増圧が示唆され、20日の噴火と同程度の規模の噴火が発生する可能性があります。
2021年10月26日16時15分 福岡管区気象台 発表
阿蘇山では、21日以降、噴火は発生していません。
中岳第一火口では、昨日(25日)から本日(26日)15時までに、白色の噴煙が最高で火口縁上1000mまで上がりました。
火山性微動の振幅は、24日23時から昨日02時頃にかけて急激に増大しましたが、その後は減少し小さい状態が続いています。昨日11時頃からは、中岳第一火口浅部を震源とする振幅の小さな火山性地震が増加しています。
京都大学本堂トンネル観測点の伸縮計では、中岳火口浅部の膨張とみられる変動が本日も観測されています。
火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、10月14日の噴火以降、概ね多い状態が続いています。
これらのことから、中岳火口浅部での増圧が示唆され、20日の噴火と同程度の規模の噴火が発生する可能性があります。