〈2017年〉阿蘇山上広場の周辺状況

地震噴火前の阿蘇中岳火口[阿蘇山]
〈更新:2017年10月26日現在〉
熊本地震で阿蘇パノラマラインの路面崩壊や斜面崩落によって、地震発生の〈2016年4月〉から応急復旧する〈同年9月〉まで阿蘇山上と草千里へ立入禁止となり観光ができなくなりました。

熊本地震後から初の観光客を迎えたゴールデンウィークが到来した阿蘇山上・草千里です。まだ、熊本地震と阿蘇火口噴火の影響によって全ての観光地と施設を楽しむことできませんが、現在の状況を把握して周遊計画のお役にたてれば幸いです。



阿蘇山上広場周辺

阿蘇火口見物

阿蘇中岳火口[阿蘇火口見物・阿蘇山]
皆さんが阿蘇山に訪れる理由のひとつに、火山活動をそばで体験できる『阿蘇中岳火口』観光でしょう。しかし、近年は火山活動が活発で、去年10月には爆発的噴火が発生(その時の情報は〔【阿蘇山噴火】草千里・阿蘇山上の観光規制〕に掲載)。

また、活発な火山活動によって火口周辺の施設や設備に大きな被害を受けており、復旧作業の他にも火山ガスにたいする安全措置にも課題(詳しい情報は〔【熊本地震後】阿蘇火口観光の現状と今後〕に掲載)があり、短期間で火口見学は実現しないもよう。阿蘇火口見物は2018年春に再開予定です。

活動が穏やかな阿蘇[阿蘇火口見物・阿蘇山]火口見物広場の観光客と待避壕[阿蘇火口見物・阿蘇山]2016年10月8日の爆発的噴火[阿蘇火口見物・阿蘇山]火山灰と噴石に埋もれた避難壕[阿蘇火口見物・阿蘇山]

阿蘇火口遊覧飛行ヘリ

阿蘇火口へ向かうヘリ[佐賀空港遊覧飛行ヘリ・阿蘇山]
地震前の火山活動の活発化によって暫くのあいだヘリコプターによる火口周辺フライトは休業していましたが、2016年の秋から営業を再開。ヘリコプターの離発着は、阿蘇カドリードミニオンと阿蘇山上へリポートの二箇所で行なっています。

阿蘇火口見物が安全上の問題で規制されていますが、ヘリコプターであれば火口周辺を遊覧飛行することで、火口見物はもちろんのこと、阿蘇五岳も上空から一望できます。

遊覧飛行を希望される観光客は、日本人はもちろんのこと外国人の方が多いとのこと。

撮影:2017年4月28日
絶好の天候[阿蘇火口遊覧飛行ヘリ・阿蘇山]待機中の佐賀空港ヘリ[阿蘇火口遊覧飛行ヘリ・阿蘇山]観光客の乗降り[阿蘇火口遊覧飛行ヘリ・阿蘇山]火口上空を旋回中[阿蘇火口遊覧飛行ヘリ・阿蘇山]ヘリポートは阿蘇山上広場の手前[阿蘇火口遊覧飛行ヘリ・阿蘇山]

阿蘇ロープウェイ

撮影:2017年4月28日[阿蘇ロープウェー・阿蘇山]
阿蘇山上広場のそばにある『阿蘇ロープウェイ 阿蘇山西駅』はロープウェイの拠点駅。館内は切符売り場のほか、阿蘇スーパーリング(阿蘇山探求プロジェクションマッピング)、レストラン、お土産店を併設。また、阿蘇駅と往復するバス発着場にもなっている。

ロープウェーの運行は、近年の火山活動の活発化によって運休が続いています。

運行中のロープウェー[阿蘇ロープウェー・阿蘇山]阿蘇火口西駅から下りてくるゴンドラ[阿蘇ロープウェー・阿蘇山]健在だったころの阿蘇火口西駅[阿蘇ロープウェー・阿蘇山]2016年噴火で損壊した阿蘇火口西駅[阿蘇ロープウェー・阿蘇山]駅施設後方に阿蘇火口[阿蘇ロープウェー・阿蘇山]

阿蘇山上神社

一時避難中の祠宮[阿蘇山上神社・阿蘇山]
とおい昔、阿蘇山噴火によって阿蘇宮の御三社を祀られ、霊山阿蘇を登拝するために『阿蘇山上神社』が建立され奉斎した。

山上神社にはほかの神社のように神殿(本殿)はありません。阿蘇中岳火口が信仰の対象となっており、火口の方向へ向かって遥拝するように拝殿のみが建てられています。

現在、2016年熊本地震と阿蘇火口噴火後は、神体を安置した祠宮を『阿蘇ロープウェー』施設の2階(乗車券売り場の横)へ移しています。参拝とおみくじはロープウェー施設で行なうことができます。

阿蘇山本堂西巌殿寺奥之院

撮影:2017年4月28日[阿蘇山本堂西巌殿寺奥之院・阿蘇山]
阿蘇は古来縁結び山としても信仰をあつめており『阿蘇山本堂西巌殿寺奥之院』があります。

阿蘇山西巌殿寺は、熊本地震と噴火の噴石によって建物の傷みが激しく堂内への立入お断りです。向拝は手前に賽銭箱を配置してありますので、寺の前でお詣り下さい。また、寺ではお守り、御朱印の授与が行なえないため、現在は阿蘇山上茶店(阿蘇山ロープウェイ1階)にて授与しています。

熊本地震で歪んだ寺[阿蘇山本堂西巌殿寺奥之院・阿蘇山]地震と噴火で崩れた屋根[阿蘇山本堂西巌殿寺奥之院・阿蘇山]地震と噴火に堪えた仏様[阿蘇山本堂西巌殿寺奥之院・阿蘇山]


阿蘇山上の現在状況

2017年10月26日現在

171026-82017年10月26日現在[阿蘇山上観光・阿蘇中岳火口]
阿蘇山上には一足はやい秋が訪れています。阿蘇山上周辺では、この季節になってススキの多さに気付きます。季節的に太陽の角度が浅くなっためか、昼ごろでもススキの穂が金色に輝きます。

最近の阿蘇中岳火口は落ち着いていて、火口からは薄い煙がゆっくりと上昇しているようすを見ることができます。噴気の音が聞こえることもなく、阿蘇火口周辺は静かな秋をむかえています。
阿蘇火口は平穏な状態ですが、昨年の爆発の影響によって火口見物広場に大量の火山灰と岩が堆積しているため、まだ火口周辺へ近付くことはできません。現在は火口見学広場周辺の復旧作業が行われており、この復旧作業で可動している重機の音が阿蘇山上駐車場にも聞こえてきます。

阿蘇山上駐車場そばの『阿蘇ロープウェイ』では、2018年春の阿蘇火口見物の再開を心待ちにしています。しかし、熊本地震と阿蘇火口爆発によってロープウェイ設備(特に阿蘇火口駅)に甚大な被害が出ており建直しも必要なため、現在ロープウェイの再開の見通しはたっていません。

ロープウェイに隣接する『阿蘇山本堂西巌殿寺奥之院』と『阿蘇山上神社』ついても修復のメドがたっていないため建物内に入ることはできません。おみくじと参拝は、阿蘇ロープウェイ施設の2階にて継続しています。

阿蘇ロープウェー内の施設は全館通常営業中です。
2017年10月26日現在[阿蘇山上観光・阿蘇中岳火口]2017年10月26日現在[阿蘇山上観光・阿蘇中岳火口]2017年10月26日現在[阿蘇山上観光・阿蘇中岳火口]2017年10月26日現在[阿蘇山上観光・阿蘇中岳火口]2017年10月26日現在[阿蘇山上観光・阿蘇中岳火口]2017年10月26日現在[阿蘇山上観光・阿蘇中岳火口]2017年10月26日現在[阿蘇山上観光・阿蘇中岳火口]2017年10月26日現在[阿蘇山上観光・阿蘇中岳火口]

〈2018年〉阿蘇火口見学の再開日・復旧情報



観光の注意・利用情報

仮復旧した阿蘇パノラマラインは応急復旧工事による暫定的な開通になっています。そのため、しばらくは天候や状況の変化に対応するために、いくつかの注意事項があります。

道路時間規制

阿蘇パノラマライン時間通行規制 地図[草千里・阿蘇山上]
『阿蘇パノラマライン』の時間帯通行規制は〈2016年10月4日〉に『阿蘇南登山道(吉田線)』の復旧開通にともない解除されました。

阿蘇山上へアクセスできる【阿蘇パノラマライン・阿蘇東登山道 坊中線(県道111号線)】では、登山道路の時間通行規制を実施中。夜間は登山道をゲートで封鎖するため阿蘇山上へ行くことはできません。

通行可能時間帯
冬期とそれ以外の季節では、通行できる時間が若干変更されます。

  • 3月17日(金)まで〈7:30~18:00〉
  • 3月18日(土)から〈7:00~19:00〉

阿蘇パノラマライン吉田線 復旧開通〈17年10月〉

注意事項

  • 当面の間は、一部片側交互通行となります。
  • 草千里、山上広場駐車場は通常通り利用できます(※草千里展望所付近は駐車不可)
  • 雨量が通行止めの規制基準値(連続雨量140mm)に達した場合には、安全確保のため面々通行止めとなります。
  • 夜間は全面通行止めになるため登山道のゲート施錠を行います。遅くともゲートが閉まる30分前には下山をはじめて下さい。
  • 火口周辺レベルは引き下げられていないため(現在レベル1)ですが、火口周辺の施設・避難壕や火山ガス検知器などの修復ができていないため、阿蘇中岳の火口周辺1km圏内は、立ち入り規制が続いています。

〈2017年〉草千里ヶ浜の観光状況

【一部復旧】阿蘇パノラマラインへの迂回路《写真でわかる》

【熊本地震後】北阿蘇 観光施設・景勝地の状況